韓国ワーママのリアルな現状

韓国ワーママのリアルな現状

こんにちは。

最近、会社勤めを再開し、慣れない日々を送っております。

私が働くチームは全員女性です。

一人を除き、全員が既婚者。

ワーママがほとんどです。

日本でもワーママが働くのは何かと大変ですが、韓国でも同じです。

今回は韓国ワーママのリアルな現状をお伝えしたいと思います。

 

子守りをする祖父母

日本と同じで韓国でも出産を機に、退職する人が多いです。

キャリアを取るか、家庭を取るか。

でも最近はほとんどが辞めずに仕事を続けます。

ほとんどの家庭が共働きです。

出産後、韓国ではどちらかの祖父母が赤ちゃんを見る場合が多いです。

祖父母におこずかいをあげて見てもらうのです。

韓国に行くと、よく廃品回収をしているおじいさんやおばあさんを見かけませんか?

高齢者は働き場所が少なく、年金制度もまだ歴史が浅いです。

そんな高齢者にとって、孫の面倒を見るのはちょうどいいお小遣い稼ぎなのです。

他人に預けるより、肉親に預けたほうが安心だという考え方もあります。

釜山に住むお義兄さん夫婦も去年子供が生まれました。

お嫁さんは産休が明け、秋から働き始めますが、赤ちゃんを実家に預けるため、アパートを売り払い、お嫁さんの実家近くに引っ越しました。

祖父母が引っ越して孫を見るというケースも聞いたことがあります。

いずれにせよ、祖父母が子守りをするという家庭は韓国でよく見られます。

 

幼稚園までは何とかなる

幼稚園や保育所は所得に関係なく、働いてなくてもお金さえ出せば子供を預けられます。

また日本のような待機児童などはなく、探せばどこかに預けられます。

韓国はあちこちに幼稚園や保育所があります。

また遅くまで預けられる所もあり、小学校に上がるまではワーママでもなんとかやっていけます。

 

小学1年生の壁

小1の授業の様子

でも子供が小学1年生になると、仕事を辞めざるを得ない人が出てきます。

韓国の小学校1年生はだいたい12時半~1時くらいに帰ってきます。

朝、学校に行ったと思ったら、もう帰ってくるのです。

ですので、共働きの家庭は小学1年生になると頭を抱えるのです。

それでどうするかというと、塾や習い事でつなぎます。

韓国の小学生が幼い頃から塾や習い事をたくさんしているのは、実はこういう社会的背景もあるんです。

そのため政府はこれを防ごうと、学校で「방과후학교(放課後授業)」と題し、外部から講師を招いて放課後に英語や数学などいろいろな授業を始めました。

 

韓国のママたちは厳しい

放課後授業の書道の様子

この放課後授業は学校によっては無料で、有料でも安くで受講することができます。

でも、うちの小学校では人気がありませんでした。

それは放課後授業の講師より、外の塾講の方が優秀だからです。

確かに放課後授業の講師は在校生のお母さんだったり、町の住民から募集された人たちです。

お母さんたちの話によると、塾講師の方がその道のプロだからいいと言うのです。

せっかく政府が準備した制度ですが、韓国のお母さんたちには響きませんでした。

それが3倍以上の値段でも外の塾に送ります。

 

韓国の学童

日本の学童のような制度は「돌봄교실(トルボム教室)」といって、小学校1、2年生のみ利用できます。

学校の敷地内にあります。

でもこれは全員が利用できず、所得や共働きの有無で優先順位が決まります。

学校によってはすごい競争率となります。

うちは共働きで多文化家庭だったので優先的に入れました。

うちの子も小学1~2年生までここを利用していました。

ここは勉強というよりも遊ぶ感じで、だいたいの子がこの後、塾に行っていました。

 

多文化家庭の強い味方、児童センター

아동센터(児童センター)での美術時間の様子

地域には아동센터(児童センター)と呼ばれる施設があります。

うちの子は小学校3年生から6年生までお世話になりました。

ここは低所得の人や母子父子家庭、多文化家庭、脱北家庭などが優先的に入れる施設で無料です。

運営は教会がしていたり、個人がしていたりします。

国から援助を受け、運営しています。

施設によって違いますが、勉強を教えてくれたり、バイオリンを教えてくれたり、夕食まで出て、とても便利な施設でした。

先生は児童福祉士の他に、補助教師として兵役の代わりにいる若いお兄さんや、ボランティアの時間数を埋めるための大学生がいたりします。

一般の韓国人共働き家庭は所得制限で入れない場合が多く、塾のように勉強する施設ではないため、あまり人気がありません。

でも多文化家庭は入れ、何より無料で夕食まで出るのでとってもラクでした。

 

教育熱心なママは専業主婦

ワーママはとても忙しいので、学校や塾に任せっきりになります。

子供の成績のいい親は専業主婦の場合が多いです。

子供の教育に必要な講座があれば聞きに行き、情報収集のためにママたちとお茶をし、とにかく子供の教育のために尽くすのです。

実際、韓国の教育システムは親の情報収集がとても重要となります。

そして、そういう家庭はたいてい経済的余裕があります。

SKYキャッスルの世界ですね。

韓国は経済的格差による教育格差がひどいです。

 

何とかしのぐ

でも富裕層は一部分です。

多くの一般家庭は夫婦や親族間で助け合いながら何とかしのいでいます。

韓国は18時退勤の会社が多いので、18時まで子供をどうするか。

大きくなったらなったで、どこの塾に送るか。

…これがいつも問題となります。

退勤後、買い出しをすると時間がないので、食料品や日用品の買い出しはできるだけネットで済ませます。

ご飯が作れないときは、ペダル(出前)を利用します。

いろいろな便利な物を利用しながら、助け合って何とかしのいでいるというのが現状です。