いつしか日本人であることがバレないように生きている

先日、ツイッターでこんなことをつぶやきました。
うちの子がフィリップ・スタルクというデザイナーについてパワポで発表するらしく、日本のアサヒビールの建築物について詳しく説明しようとしてて、アサヒビールに反応した私は、そこは詳しく説明しなくてもいいのではと言っておいた。ちょっとしたことだけど、ここは韓国。気を使います… pic.twitter.com/0QLG1VUk9l
— koreanlife@韓国生活疲れ気味 (@koreanlife007) June 17, 2020
韓国ではアサヒビール=不買運動で、これまで韓国で人気だったアサヒビールは不買運動によりほとんど見られなくなりました。
うちの子が発表する内容に、「アサヒビール」という単語があるなら、それに反応し、非難する子がいたら嫌だと思ったのです。
うちの子が日本人と韓国人の2重国籍というのもあります。
そしてこのツイートをした後、ふと思ったのです。
私は韓国で、相当気を使って生きてるな、と。
韓国に来た当初は、日本人で~すという感じで、日本人であることを堂々と明かしてました。
まわりもまわりで、当時は日本人どころか、外国人さえ珍しく、温かく受け入れてくれました。
でもいつの間にか、私は韓国でできれば日本人であることがバレないように生きてることに気付きました。
いつからこんな風になってしまったのか…
日本人であることがバレないように生きるようなった背景
日本語教師として仕事をしていた時、まわりには日本語や日本を何かしら好きな人が多く、先生、先生と慕われ、日本が嫌いな人に会うことはそうありませんでした。
また日本人が普通に生活する上では日本人だからと言って、悪く言う人はいないし、いたって平和です。
でも日本人が誰もいない、日本人として採用されたわけでもない、韓国人ばかりの会社に勤めた時は違いました。
いわゆる韓国社会どっぷりの中で働いた場合、日本人に対する対応は厳しいものでした。
おそらく私が滞在歴が長く、まわりからほぼ韓国人として見られていたというのもあるでしょう。
会社ではネットニュースやリアルタイム検索語をすぐにキャッチし、それについて雑談することがよくありました。
その時、日本の話題が出るとみんなとても厳しいことを言うのです。
韓国のネットニュースのカキコミで見るような、日本を厳しく批判するあの声です。
例えば、慰安婦のことや、強制連行のことが報道された日には、日本の悪口のオンパレードです。
福島の原発の話は、日本がいかに危険で問題な国なのかを話します。
私の家族が日本に住んでいることに、どうして日本から出ないのか、聞いてくる同僚もいました。
子供がいるワーママは、子供が大きくなるまでは絶対日本へ旅行に行かないと言っていたし、
誰もが日本の海産物を恐れ、日本に旅行に行っても絶対お刺身は食べないと言っていました。
もちろん私は韓国に対する日本政府の対応には良く思ってない人ですが、こうもまあ日本を批判されると、さすがに日本人であることを隠したくなりました。
こういう中で3年も仕事をしていれば、自然と自分は日本人であることをあえて言わず、静かになります。
静かに、できるだけ韓日間で問題を起こさないでほしいと願うようになります。
日本人であることに泣いた日
私が一番、日本人として居心地が悪いと感じたのは、日本が「竹島の日」を制定した時です。
あれは2005年か、2006年です。
この時、私は子供たちと接する仕事をしていました。(いろいろやっていました)
まだ韓国語も上手ではなく、子供たちからからかわれていた面もありました。
いきなり小学生の子たちから、
독도는 한국땅이다!
竹島は韓国の領土だ
と言われたのです。
その場では軽くかわしましたが、正直びっくりしました。
どうして私に言うのか?
小学生なので、ニュースから大人が言っていることを耳にし、目の前に日本人がいるから思わず言ってしまったのでしょう。
後日、上司にそのことを報告した時、自分も知らず知らずに、涙が出てきました。
報告した上司も私の涙にもらい泣きし、一緒に泣いてくれました。
この時、初めて日本人であるということに泣きました。
波風立たせないでほしい
私の子供も私と同じように世間というものを知り、小さい頃はママは日本人だと友達に言っていましたが、今では友達に聞かれない限り言わないそうです。
私も私で、父母会などはできるだけ目立たないようにしていて、でも名前で一発でバレてしまうという感じです。
別にバレてもどうってことないんですけどね。
特に最近は不買運動に始まり、メディアも日本をいっそう非難する報道が増え、更に静かにしています。
かと言って日本人だからと嫌な目にあったり、嫌なことをされたりすることは全くありません。
むしろ、外国人は年々増え、国際家庭も多くなり、とても住みやすくなっています。
ただ国の雰囲気が最近は特に、静かにしていたほうがいいと感じるのです。
韓日のニュースにああだこうだ言うのもうんざり。
韓日をやたら比較するのにもうんざり。
お願いだから波風立たせないでと思うのは私だけでしょうか。
韓日情勢に左右されるのは、韓国人と結婚した以上、仕方のないことなのでしょうか。