韓国では当たり前!子供の先取り学習について思うこと

韓国では当たり前!子供の先取り学習について思うこと

「先取り学習」とはその学年で習う内容よりも、先の内容を習うことです。

韓国では선행학습といいます。この「先取り学習」は韓国では当たり前となっています。

あまりにも先取り学習がエスカレートし、2014年に先取り学習禁止法というものが出されました。

学校からは何度か「先に学習するのはやめましょう!」といったプリントをもらってきました。

私は以前は先取り学習はよくないなと思っていたのですが、最近はどんどんさせたらいいと思うようになりました。

今回はこの先取り学習についてです。

 

韓国の先取り学習の実態

以前、ある日本人の方のツイート内容です。

 

 

これを見て、日本と韓国とでは先取り学習禁止の意味がちょっと違うなと思ったのです。

日本では教師の言うことを聞かなくなるから先取り学習禁止みたいですが、韓国では親のエスカレートする教育熱のため先取り学習禁止です。

韓国は親が先取り学習をさせすぎて問題になっているのです。

親が本人の学習意欲とは関係なしに、塾に送ったりとても高い教育費を投資し、先取り学習させる。

韓国ではこれが社会問題になっていて、学年に沿った学習でいいですよ、という意味での先取り学習禁止です。

韓国の先取り学習は小学校から始まるのではありません。

 

早く早くの韓国

韓国の先取り学習の文化は赤ちゃんの頃から始まります。

・他の子より早く寝返りが打てる。

・他の子より早く歩ける。

・他の子よりは早く話せる。

・他の子より早くオムツがとれる。

・他の子より早くハングルで読み書きできる。

と、こんなふうに他の子より早くすることがあたかもすごい!みたいな文化が韓国にはものすごくあります。

それで、ちょっとでも自分の子が遅かったら焦り、遅れないようにします。

そしてそれは、やがて塾や習い事に送ることにつながっていくのです。

韓国ではこの早く早くの文化が大きくなるまで続いているというわけです。

 

小学校では

子供が小学生の時、数学が苦手で先生に相談しました。

私:うちの子、数学が苦手みたいで、どうしたらいいですかね。

担任:塾に送ってあげて下さい。問題集も買ってあげて下さい。

こんな感じでした。

日本だったら、じゃあちょっと注意して見ますねとか、ちょっと先生が注意深く見てくれたりするんでしょうが、韓国はそれがありません。

先生は定時にさっさと帰ります。

学校の学習速度についていけない子は塾に送って下さいというスタンスです。

これは先生が悪いのではなく、あまりにも親たちが塾に頼った結果だと思うのです。

早く早くの文化で、小学校入学前にハングルが読める子がほとんど。

新しいことを習うのは学校ではなく塾となったのです。

学校は親にびくびくしながら、当たり障りのないよう教えている。

それが韓国の小学校です。

 

中学校では

自分が小学生の時は学習塾に通わなくても勉強はなんとかなった、という甘い考えで小学生の時は学習塾に送りませんでした。

子供は多文化家庭のメントリングサービスという支援を受け、現役大学生に週2回勉強を教えてもらっていました。

それでなんとかなりました。

でも中学校に入って学習塾に通い始め、わかったことがあります。

それは学習塾ではものすごい先取り学習をするということです。

難関校を目指す塾ならわかります。

でも何でもない近所の普通の塾なんです。

小学生の頃から先取り学習をしている子がほとんどなので、学習塾では一年先のことを教えるのが普通なのです。

うちの子はこれで今、塾で苦労しています。

 

親の受験か子供の受験か

韓国で自分の力だけで難関大学に行った子はごくわずかだと思います。

そのほとんどは親がどれだけ教育熱心だったか、にかかっています。

ごくわずかな子を除き、ほとんどは天才でも秀才でもない、普通の学習能力です。

でもその普通の子がinソウルするかしないかの違いは「親の熱心さ」だと思うのです。※inソウル=ソウルにある大学に合格すること

どれだけ幼い頃から塾に送り、子供の教育に投資してきたか、親は親でいろいろな説明会に参加し、入試の情報を集めたか。

韓国はまさにそんな感じです。

 

郷に入れば郷に従え

 

それで、うちの子が中2なのに、中3の数学を苦労しながらやっているのを見て、考えが変わりました。

以前は先取り学習はよくないと思っていましたが、今はどんどんさせたらいいと思うようになりました。

なぜならば、韓国社会がそうだからです。

韓国で先取り学習を禁止していては、大学すら行けなくなってしまうのです。

韓国に住んでいながら今更気づいたわけですが、郷に入れば郷に従えです。

住んでいるからにはもう仕方がない。その国の波に乗ってやるしかないと思ったのでした。