【韓国在住ママ必見】韓国の大学入試制度はこうなっている!(大学入試編)

【韓国在住ママ必見】韓国の大学入試制度はこうなっている!(大学入試編)

いろいろ調べていたら、ついに大学入試まで調べちゃいました。

それでは韓国の大学入試についてざくっと紹介します。

 

推薦(수시)or 大学修能試験(정시)?

韓国でスヌン(大学修能試験)の日には受験生が遅刻するとパトカーで乗せて行ってくれたり、出勤時間をずらす会社もあるほど、韓国でスヌンは一大イベントですよね。

それが近年変わりつつあるのです!

下のグラフは2020年度、2021年度の大学入試の募集人数です。

ほとんどの受験生が推薦で大学に行くことがわかります。

大学修能試験を受ける人は少なくなっているのです。

実際は修能試験を全く受けないのではなく、修能試験と推薦のどちらも受けていて、結果的に推薦で行く人が多いというのが現状です。

 

 出典 www.cctoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=1206989

 

推薦試験(수시)って?

つまり修能試験を受けずに大学に行く方法です。

推薦試験で大学に行く方法は3つあります。

① 学生簿選考(학생부전형):a. 学生簿総合選考(학생부종합전형)+ b. 学生簿教科選考(학생부교과전형)

② 大学別選考(대학별전형)小論文試験(논술고사),  適性試験(적성고사)

③ 特技者選考(특기자전형):実技試験(실기고사)

ほとんどの子が① 学生簿選考で推薦試験を受けます。

では① 学生簿選考とはどういったのもなのでしょうか。

① 学生簿選考は「a. 学生簿総合選考(학생부종합전형)+ b. 学生簿教科選考(학생부교과전형)」の2つを総合的に判断されます。

この2つについて詳しく見てみましょう。

 

a. 学生簿総合選考(학생부종합전형)とは?

略して「ハクチョン(학종)」と言います。

ハクチョンは、教師が書いた推薦書生活記録簿を大学側が評価して1次合格者を選抜します。

生活記録簿に入る内容は、

・受賞経歴

・創意的体験活動の状況

・読書活動の状況

・行動特性

・総合意見

などで、教師の推薦書をもとにして作成されます。

学生が読書をどれくらいしたのか、どのような特技を持っているのか、どんなクラブ活動をしたか、ボランティアは何をしたか、学校外の活動など、細かい内容が生活記録簿にすべて入ります。

 

a. 学生簿総合選考(학생부종합전형)の問題点

今問題になっているのはまさにここです。

親の人脈を利用する

親が教授なら、人脈を利用し、研究に参加したことにさせたり、

一般の子供ならとうてい参加できないようなことも参加できることが問題になっています。

親の助けなしては非教科部分はできないということが問題になっています。

 

担任が生活記録簿を書く

ぶっちゃけ担任に嫌われたら終わり…ということになります。

担任の目を気にしながら授業を受け、悪さをすると内申書に悪く書くぞと脅す教師。

担任に文章力がない、やる気がない場合もあります。

 

一般高校 vs 受験で入った高校

一般的に受験で入った高校(특목고 자사고)は対策がしっかりできています。

例えば、受験で入った高校(특목고 자사고)は生活記録簿が30枚なのに対し、一般高校は10枚しかなかったり、学校によって差があります。

難関大学(SKY)の合格者に一般高校の生徒はごくわずかです。

특목고 자사고廃止のお母さんたちのデモは、こういった教育格差のためです。

 

ソウル首都圏高校 vs地方高校

この入試制度になってから、地方高校からソウル大学に行った人は激減しています。

反対に、ソウルや京畿道などの高校からソウル大に入った人は激増しています。

このように、入試制度を熟知した塾、コンサルティング会社、学校が多くあるソウル首都圏が有利で、

そういうものがあまりない地方圏は難関大学に合格できにくい仕組みとなっています。

 

不透明

本当に闇の世界です。

何を書いたら合格できるのか、担任もわかりませんし、学校側も手探りの状態です。

知っているのは大学の入試担当者だけです。

だから高額の入試コンサルティング会社が儲かるのです。

 

b. 学生簿教科選考(학생부교과전형)とは?

長いので「教科選考(교과전형)」と呼びます。

教科選考(교과전형)とは高校3年間の内申を1~9等級で出します。

内申の等級の出し方は以前ブログでも書いたこちらをご覧ください。

↓↓↓
【韓国在住ママ必見】韓国高校の内申制度はこうなっている!(高校編)

b. 学生簿教科選考(학생부교과전형)の問題点

一般高校 vs 受験で入った高校(특목고 자사고)

ここでも一般高校とそうでない高校の差があります。

例えばソウル圏のお受験で入った高校は、頭がいい子しか入れない高校のわけで、そこで1等級になるのは大変なことです。

それに比べ田舎の一般高校で1等級とるのはそれほど難しくありません。

このように学校ごとに差が生じるため、等級を見ない大学が多いです。

特に難関大学(SKY)はあまり見ません。

なので、一般校高校に通う場合は等級はいい等級に越したことはありませんが、

受験で入った高校(특목고 자사고)なら、低い等級でも充分いい大学を狙えるのです

 

まとめ

今まで韓国は修能試験(수능)が最も重要とされ、みんなこの日のために一生懸命勉強しました。

塾は高い授業料で生徒を集めました。

その結果、お金持ちだけがいい塾に通い、お金持ちだけが難関大に合格し、お金持ちだけが大企業に就職する、という社会になってしまいました。

韓国政府はそれを食い止めようと、公教育に力を入れ、修能試験(수능)を受けないでも学校教育だけで大学に行ける制度を作りました。

それが学生簿選考(학생부전형)です。

・・・でも蓋を開けてみれは同じでした。

韓国では今、この入試制度をコンサルティングする、コンサルティング会社が大人気です。

高い費用を払い、内申に有利なようにコンサルティングしてもらうのです。

まさにドラマSKYキャッスルの世界です。

今の入試制度は田舎で一生懸命勉強だけしていても合格できないシステムなのです。

また親に経済力、人脈、情報力がない場合、とても不利な入試制度となっています。

むしろ修能試験1本で大学が決まった昔の方が、私教育費がかからなかったと言う人もいます。

賛否両論ある今の大学入試制度ですが、これもまた数年後には変わるでしょう。