韓国政府主催の国家非常事態訓練「ウルジ太極練習」って何?

韓国では年に1回、「民防衛の日」といって韓国政府主催の国家非常事態に備える訓練を行います。
私も子供が学校からプリントをもらってきて知ったのですが、今年から名称が変わったようです。
国家非常事態なんて聞くと、日本人からしたら北朝鮮との関係をまず考えてしまうのですが…
実際に住んでいる者からすると、「なんかサイレン鳴ってるな~、何の日かな?」みたいな感じで終わります。
今回は韓国政府主催の非常事態訓練について。
国家非常事態訓練?
http://www.ilyoseoul.co.kr/news/articleView.html?idxno=311787
今年から「乙支(ウルジ)太極練習」と言います。
学校からもらったプリントではカッコして「対テロ訓練」と書いてありました。
単に北朝鮮の攻撃に備えての訓練ではなく、テロ対策、災害の避難訓練も全部含めた訓練のようです。
「乙支(ウルジ)」とは高句麗時代に隋と闘った、「乙支文徳(ウルジ・ムンドク)」からとった名前のようです。
1969年から始まった訓練はずっと「乙支(ウルジ)練習」という名称でしたが、今年2019年から「乙支(ウルジ)太極練習」に変わりました。
韓国政府の説明によると、国家非常事態を能動的に対処するために行う訓練だそうです。
何をするの?
行政機関や公共機関では実際に参加型の訓練が実施されます。
学校では「国民安全放送」(http://www.safetv.go.kr)を視聴しなければなりません。
たぶん強制的に授業中この放送を見ます。
それ以外の人は、「サイレンうるさいけど、今日は何の日かな?」みたいな感じで終わります。
北朝鮮のこと
実際、韓国在住の私が日本に帰ると、周りから北朝鮮のことをいろいろ聞かれます。
前回の帰省で法事があったのですが、そこでもお坊さんが北朝鮮との関係を興味津々に聞いてきました。(笑)
でも生活していて北朝鮮のことを意識したことはありません。
ニュースの映像もNHKのものが流されたり、日本の方が早かったりします。
身近なものとしては、脱北者で、実際うちの子の学校にも脱北者家庭がいました。
うちは外国人の親を持つ多文化家庭で、ちょっとした援助がありますが、脱北者家庭にも同じように援助があります。
小学校では北朝鮮の言葉を習ったり、文化を理解しているようです。
どんなにミサイルを撃っても、それほど北朝鮮に危機感がないというのが実際のところです。
子供が小学生・幼稚園くらいの韓国のお母さんたちが共通して願うのは、「うちの息子が軍隊に行く頃には軍隊制度は終わってほしい…」という願いです。
国家の安全のためには軍隊は必要だけれども、自分の息子は行かせたくない、というお母さんたちが多いのも事実です。